| 始めての人のパーリ語 (6〜10) | (文責;小野道雄) | 会員広場へ⇒ | |
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| 【パーリ語アイウエ?オ】 目 次
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| パーリ語 アイウエ?オ(6) | |||
| アブラティヴ、ノミナティヴなどという言葉が盛んに飛び交っていたら、間違いなくサンスクリット語かパーリ語の勉強会です。 英語の略称も含め、できれば日本語英語両方の表記を覚えてください。 ちなみに『パーリ語辞典』は英語の略称を用いています。 |
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| パーリ語 アイウエ?オ(7) | |||
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しかし最初から構えてしまう必要もありません。何はさておき、名詞の格変化表を実際に見ていくことにしましょう。 - a 語基 m. 男性 例 buddha 一番上に書いた「- a 語基」というのは、もとの形の語尾が - a だということです。 『パーリ語辞典』の見出し語はすべてこの語基の語尾になっていますので注意してください。 表の左側の英語の略称は、前回説明したように、それぞれの格の英語表記の略称です。 一体、パーリ語の名詞は何通りに変化するのでしょうか。 これ以上煩雑な説明は避けたいと思いますので、とにかく『パーリ語辞典』の変化表の部分を最後までご覧になってみて下さい。 男性名詞、女性名詞、中性名詞、そしてそれぞれいわゆる語基の違いによって、多くの変化のタイプに分類されているのがよくお分かりになることと思います。 |
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ここで具体的にパーリ語の簡単な文章を通して、これまでお話ししてきたその他のポイントについても再確認しながら、名詞の格変化の実際について見ていきたいと思います。 なお文には原則的に動詞があるわけですが、動詞についてはまだ説明していませんので、とりあえず名詞にだけ注目していただくことにして、動詞は無視していただいて結構です。 |
| パーリ語 アイウエ?オ(8) | |||
| 次の文章は、いわゆるジャータカ(前生譚)の一つで、日本人にもなじみのある(あった、の方が正確でしょうか) (前略) 今回は、先生と生徒のやりとりという形式で、実際のパーリ語の勉強会の雰囲気を出しながら解説していきたいと思います。 Tは先生、 AとBは生徒ということにします。 T: それでは最初の文を、A君からお願いしましょうか。 A: はい。 ボーディサットー ササヨーニヤン ニッバッティトゥヴァー アランニェー ヴァサティ。 まず、ボーディサットーは「菩薩」という意味の男性名詞bodhisatta [ボーディサッタ] のシンギュラー(単数)、ノミナティヴ(主格)で、「菩薩は」という意味になります。 次のササヨーニヤンというのは「兎」という意味のsasa [ササ] と「子宮」という意味の女性名詞yoni [ヨーニ] の合成語(コンパウンド)sasayoni [ササヨーニ] (兎の胎内)のシンギュラー(単数)、ロカティヴ(処格)で、「兎の胎内に」という意味になります。 T: 今、A君が合成語という言葉を使いましたが、パーリ語を勉強していくうえで、この合成語、普通、「コンパウンド」といいますが、このコンパウンドというのが実はとても大切なのです。 A: はい。 次のニッバッティトゥヴァーというのは、nibbattati [ニッバッタティ] (生ずる)という動詞のジェランドですから、ここでは「兎の胎内に生じて」ぐらいの意味になると思います。 アランニェーは、「森」という意味の中性名詞 T: ジェランドという言葉も出てきましたが、動詞に関することなので、これも後で説明することにします。とりあえず「〜して」などと訳しておいてください。 最初の B: うう〜ん、どうもよくわからないのですが……。 とりあえず個々の単語についてわかる範囲のことだけ言ってみます。 T: それでいいですよ。 B君がわからないところは、A君もぜひ手伝ってやってください。 A: はい。わかりました。 B: タッサ パナ アランニャッサ エーカトー パッバタパードー エーカトー ナディー エーカトー パッチャンタガーマコー。 |
| パーリ語 アイウエ?オ(9) | |||
先月に続いて、先生Tと生徒A,Bの会話形式で進めていきます。 |
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| B: T:そのとおりです。 この場合は次の B:次のパナはちょっと飛ばして、アランニャッサは、今、先生がおっしゃったようにジェニティヴ(所有格)で、「森の」という意味になると考えて、両方合わせて「その森の」という意味になります。 T:そのとおりですね。 B:次のエーカトーというのは、辞書を引いたら、adv.と書いてありますから、アドヴァーブつまり副詞で、さらにeka[エーカ](一つ)のabl.つまりアヴラティブ(奪格)とも書いてありますが、なんだかよくわかりません。 意味は「一方では」となっています。 T:この たとえば、 B:先生の説明を聞いても今ひとつピンときませんが、とりあえず次に行ってみます。 T:そうです。これも合成語、コンパウンドですね。 B君、なかなか調子いいじゃないですか。 B: pana [パナ]は、「また」ぐらいにしておきます。 そすると、「また、その森の一方では山の麓は」となるのですが、その後との意味のつながりを考えると、何を言っているのかわからなくなってきてしまうのですが‥‥。 T:「山の麓」が主語だというのはいいと思いますよ。それでは述語動詞はどれですか? B:んん〜。それがわからないんです。動詞がどこにもないような気がするのですが。 T:そう、動詞はないのです。 B:え? T: A君はどう思いますか? A:はい、サンスクリット語もそうですが、英語のbe動詞に相当する動詞はパーリ語ではよく省略されますから、この場合も「ある」という意味の動詞が省略されていると考えればいいと思います。 そうすれば「また、その森の一方には山麓があり」、もうちょっと自然な日本語にすれば「また、その森の一方には山麓が広がっており」といったところでしょうか。 B:なるほど、そうすると、その後も同じパターンだと考えればいいわけですね。 |
| パーリ語 アイウエ?オ(10) | |||
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(先月の続きです) |
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B:はい。 これもさっきとまったく同じパターンですね。 T:いやー、B君もかなり要領がわかってきたようですね。 その調子ですよ。 ねえ、A君もそう思いませんか。 A:ええ、たいしたもんですよ。 B:そんなに褒めていただくと恥ずかしくなってしまいます。まだまだわからないところだらけですから、これからも自分なりにこつこつとやっていきたいと思っていますので、先生もA君もどうかよろしくお願いします。 T:それでは最後に、全体を訳しておくことにしましょう。 いかがでしたでしょうか。 パーリ語の勉強会の雰囲気のようなものを少しでも感じ取っていただけたでしょうか。 今回は、いよいよ動詞です。 これも、まずは『パーリ語辞典』の最後の動詞の活用のところを見ていただきたいと思います。 全部で20ページはあるでしょうか。 思わずため息が出てしまいそうです。 動詞の変化は、意味のうえでは、時間を表す場合とそれ以外の場合の2つに分けて考えればいいかと思います。 時間というのは、いわゆる現在形、過去形、未来形、完了形などと呼ばれているもののことです。 パーリ語はこれらを、すべて動詞の語尾を変化させることによって表します。 ここではそれらを代表して 『パーリ語辞典』には、この下に「反照」と書かれた変化表が載っています。 この「反照」については、文法書にいろいろと説明も載っていますが、実際にパーリ語の文章を読んでいくうえでは、ほとんど支障がありませんから、「こういう風に変化する場合もあるのだな」ぐらいに思っていただければ充分かと思います。 |
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次回は具体例をとおして、実際に文中に出てくる動詞の現在形を見ていきたいと思います。 |
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| patipada-2003年 4月号より (文責;小野道雄) | |||
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