HOME初期仏教研究:会員広場→ブッダの演歌目次 第1・2章
ブッダの演歌 (Dhammapada 意訳)    (文責;西津紘一)
ブッダ  イラスト:高橋優子
【ブッダの演歌】
目 次
  第 1章 「ブッダの人生論」(Yamaka-vagga) 1-20
  第 2章 「心を育てる」(Appamâda-vagga) 21-32
  第 3章 「心の法則」(Citta-vagga) 33-43
  第 4章 「花から学ぶ」(Puppha-vagga) 44-59
  第 5章 「愚かな人々」(Bâla-vagga) 60-75
  第 6章 「賢い人々」(Pandita-vagga) 76-89
  第 7章 「聖者とはどんな人ですか」(Arahanta-vagga) 90-99
  第 8章 「無益な千より大切な一つ」(Sahassa-vagga) 100-115
  第 9章 「愚図は悪いことだよ」(Pâpa-vagga) 116-128
  第10章 「殺してはいけないよ」(Danda-vagga) 129-145
  第11章 「老化は必然だよ」(Jarâ-vagga) 146-156
  第12章 「ブッダの教育論」(Atta-vagga) 157-166
  第13章 「世間での注意事項」(Loka-vagga) 167-178
  第14章 「覚者ブッダ」(Buddha-vagga) 179-196
  第15章 「幸せに生きようよ」(Sukha-vagga) 197-208
  第16章 「好きなこと」(Piya-vagga) 209-220
  第17章 「怒りの感情」(Kodha-vagga) 221-234
  第18章 「心の汚れ」(Mala-vagga) 235-255
  第19章 「正義の人」(Dhammattha-vagga) 256-272
  第20章 「最高の道は八正道」(Magga-vagga) 273-289
  第21章 「つまらない楽しみ大きな楽しみ」(Pakinnaka-vagga) 290-305
  第22章 「地獄に行くのはだれですか?」(Niraya-vagga) 306-319
  第23章 「象から学ぶ」(Nâga-vagga) 320-333
  第24章 「ノドの渇きのような渇愛」(Tanhâ--vagga) 334-359
  第25章 「修行者が行なう事」(Bhikkhu-vagga) 360-382
  

なぜ「ブッダの演歌」を作り始めたのか?  

  西津紘一

 その疑問に答える前に、「ブッダの演歌」とは何かについて述べなければならないでしょう。
ダンマパダの私の意訳に私が勝手に付けた名前です。

 私はダンマパダの良い日本語訳を求めていました。 友松圓諦訳「法句経」は有名で名訳ということですが、文語体で最近の人にはわかりにくいところがあります。 また、中村元訳「真理のことば(ダンマパダ)」はわかり易く、勉強にはなりますが、原文に忠実に訳そうとすると、日本語では冗長になるというハンディを負います。 その他かなりの数の日本語訳がありますが、どれも一長一短で私には気に入りません。
無理もありません。 私の好みに合わせて訳しているわけではないのですから。 そこで私の気に入る訳は自分で作るしかないと思い、自分で作り始めたわけです。

しかし、学者ではない私は文字にはとらわれず、お釈迦様の意図を汲むことを重視しようと考えたものですから、私の訳はダンマパダの訳とはいえず、ダンマパダの一つの意訳ということになると思います。
意図を汲むことの一つに、お釈迦様が明らかに比丘に対して述べた言葉であっても、私に述べた言葉として意訳しました。 お釈迦様が比丘に言いたかったことは私にも言いたいことだと思っているわけです。
 具体例を示しましょう。

中村訳9 : けがれた汚物を除いてないのに、黄褐色の法衣をまとおうと欲する人は、自制が無く真実も無いのであるから、黄褐色の法衣にふさわしくない。

中村訳10:けがれた汚物を除いていて、戒律をまもることに専念している人は、自制と真実とをそなえているから、黄褐色の法衣をまとうにふさわしい。

これはお釈迦様が比丘あるいは比丘になりたいと思っている人に仰やった言葉でしょう。 しかし、その意図は「上辺だけ整えてもだめですよ。 心を育てなければいけないよ。」と仰っているように聞こえるのです。 ですから、「ブッダの演歌」では次のようになります。

9 : 心の汚れをため込んで  立派な服を着ようとしても
    上辺を飾るだけだから  立派な服は  似合わないよ〜♪

10 : 心の汚れを吐き出して 道徳守っている人ならば
    心を育てる人だから  立派な服が  よく似合うよ〜♪


「ブッダの演歌」ですと、比丘だけでなく誰にでも必要な言葉になると思いました。
また、お釈迦様の言葉を処世訓(これは上辺を飾るだけの生き方)としか理解しない人に、お釈迦さまは「上辺を飾ることは意味ない。 心を育てなさい。」と仰っていることを明確にしたいという意思もありました。

それが何故「ブッダの演歌」なのだ。
その訳をお話しましょう。 単純な理由です。 ゴータミー精舎からの帰り道、協会のある会員に私の意訳を聞いてもらいました。

1 : 人生は心のドラマだよ 心が作者で心が主役
    汚れた心でドラマを作り 汚れた心で演技をすれば
      不幸なドラマになるでしょう〜♪

2 : 人生は心のドラマだよ 心が作者で心が主役
    きれいな心でドラマを作り きれいな心で演技をすれば
      幸福なドラマになるでしょう〜♪

これを聞いたその会員は「演歌みたいね。」と言いました。 お釈迦様の詩を演歌というのはかなりインパクトのある言葉でした。しかし、それも悪くないと思いました。 仏教に興味のない人でも演歌に興味があれば、ブッダの演歌を聞いてくれるかもしれない。 ダンマパダを一部の日本人の心だけでなく、年配の人や若い人の心にも広く隅々まで広げたいという思いは「ブッダの演歌」に飛びついたのです。
 

目次へ⇒
 ブッダの演歌 (Dhammapada 意訳)【1】  第1章・第2章    (文責;西津紘一)

第1章 ブッダの人生論(Yamaka-vagga) 1-20

1.
  人生は心のドラマだよ
  心が作者で心が主役
  汚れた心でドラマ作り
  汚れた心で演技をすれば
  不幸なドラマになるだろう
 
2.
  人生は心のドラマだよ
  心が作者で心が主役
  きれいな心でドラマを作り、
  きれいな心で演技をすれば
  幸福なドラマになるだろう
  
3.
  あいつは私をバカにした
  あいつは私を傷つけた
  あいつは私を倒したぞ
  そのように恨めば
  恨みは消えないよ
 
4.
  あいつは私をバカにした
  あいつは私を傷つけた
  あいつは私を倒したぞ
  そのように恨まなければ
  恨みは消えるよ
 
5.
  恨みを恨みで返したら
  恨みは続くよ
  慈悲の心で返したら
  恨みは消えるよ
  これは永遠の真理です
 
6.
  戦う者は必ず敗れる
  多くの人は
  この理を知らないようだ
  知る者は
  戦いを止めるだろう
 
7.
  欲しい物は何でもかんでも
  見たい聞きたい食べたいと
  何でも欲しがるばか者は
  ぶくぶく太って
  早死にするよ
 
8.
  欲しいものでも
  善くない物だと理解して
  節度を守る賢い人は
  身体は健康
  人生成功
 
9.
  心の汚れを溜め込んで
  立派な服を着ようとしても
  上辺を気にするだけだから
  立派な服は
  似合わない

10.
  心の汚れを吐き出して
  道徳守っているならば
  心をきれいにする人だから
  立派な服が
  よく似合う
 
11.
  黒を白と思い
  白を黒と思う人々は
  ひねくれ思いに捕われて
  本当のことが
  解らない
 
12.
  白を白と見て
  黒を黒と見る人々は
  素直な心に導かれ
  本当のことが
  解るでしょう
 
13.
  屋根を葺かないならば
  雨が降れば
  漏るように
  心を育てなければ
  欲情の雨が漏るでしょう。
 
14.
  屋根を葺くならば
  雨が降っても
  漏らないように
  心を育てたならば
  欲情の雨が漏らないでしょう
 
15.
  悪いことって何ですか?
  今苦しみ
  後でも苦しむことですよ
  自分のしたことを見て
  何度も苦しむことですよ   
 
16.
  善いことって何ですか?
  今喜び
  後でも喜べることですよ
  自分のしたことを見て
  何度も喜べることですよ
   
17.
  悪いことをする人は
  二つの所で
  苦しむよ
  この世で苦しみ
  地獄で悩み苦しむよ
 
18.
  善いことをする人は
  二つの所で
  喜ぶよ
  この世で喜び
  天界で喜び楽しむよ
 
19.
  ブッダの教えを
  議論しても
  少しも
  実践しない人々は
  ブッダの弟子ではないよ
 
20.
  ブッダの教えを
  議論しなくとも
  欲と怒りと無知を捨て
  いつも気づいている人々は
  ブッダの弟子だよ


第2章 心を育てる (Appamâda-vagga) 21-32

21.
  心を育てることこそ
  生きていること
  ボーとしているのは
  死んでいるのと
  同じだよ
 
22.
  このことを理解して
  賢い人は
  心を育てることを喜び
  生きていることを
  楽しむよ
 
23.
  心を育て
  忍耐強く繰り返し
  常に努力する人々は
  究極の幸福に
  達するでしょう
 
24.
  背筋を伸ばして
  心を育て
  思いと行い注意して
  ブッダの教えを実践すると
  富貴の人になるだろう
 
25.
  背筋を伸ばし
  心を育て
  自分に打ち勝ち
  欲望に流されない
  自分を作ろうよ
 
26.
  愚かな人は
  怠惰にふけるが
  智慧ある人は
  心を育てることを
  宝のように思っているよ
 
27.
  怠惰を避けて
  快楽を求めず
  心を育てる人々は
  幸福の究極を
  知るでしょう
   
28.
  賢い人が心を育て
  怠け心に
  打ち勝つ時は
  山上の人が地上の人を
  見下ろすようだよ
 
29.
  怠けている人々の中で
  一人励み
  眠っている人々の中で
  一人目覚めている人は
  駄馬の中の駿馬のようだよ

30.
  帝釈天は努力をしたので
  最高神と呼ばれるよ
  いつの世でも、
  努力は讃えられ
  怠惰は非難されるよ
 
31.
  心を育てることを
  楽しみ
  怠惰を恐れる修行者は
  心の汚れを
  焼き尽くすよ
 
32.
  心を育てることを
  楽しみ
  怠惰を恐れる修行者は
  悟りのそばに
  居るよ
 

次章へ⇒ 目次へ⇒
HOME初期仏教研究:会員広場→ブッダの演歌 目次 第1・2章